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ご自宅の猫ちゃんは大丈夫?早期の腎臓病を発見、対策する方法

@vet-pet-care

猫は腎臓病になりやすいって有名ですけど、
具体的にいつ頃から、
何に気をつければいいんでしょうか?

実は7歳を過ぎたら「全員予備軍」だと思っていいくらいです。
お家でのチェックポイントは多岐にわたりますが、
最も重要なのは「おしっこ」と「水」のバランスの変化なんですよ。

「元気そうに見えるのに、気づいたら進んでしまう」
それが、猫の腎臓病がいちばん怖い理由です。

そんな疑問を持つ飼い主さんへ向けて、
今回は “難しい話を抜きにして”
お家でできる早期発見のヒントをまとめました。

Take Home Message
  • 猫の腎臓病は、元気なうちから始まっていることが多い
  • 血液検査より先に、体はサインを出しています
  • 早期発見のカギは、血液検査よりも
    「おしっこ」と「水」の変化
  • 今日からできる「トイレチェック」と「水の工夫」が、
    数年後の腎臓の寿命を左右します

実は7歳を過ぎたら「全員予備軍」

猫の腎臓病は珍しい病気ではありません。
年齢とともに少しずつ進行していくため、

7歳を過ぎたら「誰でも起こりうる」
くらいに考えておくとちょうどいい病気です。

ただし、
「いきなり具合が悪くなる」わけではありません。

だからこそ、
元気な今だから気づけるサインが大切になります。

なぜ「早期発見」が難しいのか?

腎臓は、非常に我慢強い臓器です。

たとえば浄水センターに例えると、
設備が壊れ始めても、残った設備が必死に残業して働き続けるため、
外から見たパフォーマンスはしばらく変わりません。

実際、
腎臓の機能が大きく減ってから
血液検査に異常が出るケースも多いのです。

つまり、
「元気そうに見える時期」に、どれだけ早く小さな変化に気づけるか
それが腎臓病対策の分かれ道になります。

お家でできる「おしっこ」チェック術

実は
トイレ掃除は、毎日できる最高の健康診断です。
毎日すべて完璧に見る必要はありません。
まずは次の3つだけ意識してみてください。

猫砂の「団子」のサイズと回数

  • 「以前より団子が大きくなった」
  • 「回数が増えた気がする」

こうした変化は多尿のサインです。
尿が薄くなり量が増えているサインかもしれません。

ここで役立つアイテム
最近は、
トイレの下に置くだけで尿量や体重を自動で記録できるIoT機器もあります。

  • 多頭飼いで誰の尿かわからない
  • 忙しくて毎日チェックできない

そんなご家庭では、
「変化を見える化する補助ツール」として便利です。

おすすめ
猫用トイレ下設置型 尿量・体重モニタリングIoT
猫用トイレ下設置型 尿量・体重モニタリングIoT

※主治医に見せる記録としても使いやすいです

おしっこの色と匂い

健康なおしっこは、

  • しっかりした黄色
  • ツンとした独特の匂い

があります。

腎臓病が進行すると、

  • 色が水のように薄くなる
  • 匂いがほとんどしなくなる

といった変化が見られます。
薄い尿が続く場合は要チェックです。

意外なサイン:トイレ以外での粗相

急に布団の上でおしっこをするようになった」

この場合、
単なるワガママではなく、

  • 尿量が増えすぎてトイレが間に合わない
  • 排尿時の違和感や不快感

といった体の変化が隠れていることもあります。

こんな変化があれば、早めに動物病院へ

  • 尿の塊が明らかに大きくなった/回数が増えた
  • 水を飲む量が以前より明らかに増えた
  • 尿の色がほぼ透明で、においが弱い
  • 体重が1か月で100g以上減った

※ 元気・食欲があっても、受診の目安になります。

「水」を飲ませるための環境戦略

腎臓の負担を減らすうえで、
最も大切なのが水分摂取です。

ただし猫は本来、
積極的に水を飲む動物ではありません。
そのため、環境側の工夫が必要になります。

水飲み場「増設」のルール

  • 寝床〜トイレの動線上に最低2か所以上設置
  • ヒゲが当たらない広口の器を使う
  • トイレと水飲み場は離す
    (野生では水場と排泄場は別です)
  • 蛇口の水が好きな子には循環式給水器も有効

さらに、
その子の好みに合わせることも非常に重要です。

  • 冷たい水よりも少しぬるめの水(ぬるま湯)を好む猫もいます
  • 特に高齢猫や腎臓病の猫では、
    体を冷やさない水の方が飲水量が増えることもあります

「水は冷たいもの」という思い込みを捨てて、
温度も含めて“飲みやすさ”を探してあげましょう。


※電子レンジで温める場合は、人肌以下(約30〜35℃)を目安にし、
必ず混ぜてから与えましょう。

ここで役立つアイテム

おすすめ
猫が水をよく飲むヘルスウォーターシリーズ
猫が水をよく飲むヘルスウォーターシリーズ
おすすめ
静音でコードレスの循環給水器
静音でコードレスの循環給水器


「飲ませる」より
「飲みたくなる環境を作る」のがコツです。

フードで水分を補う

ドライフードの水分量は10%以下ですが、
ウェットフードは75%以上含まれています。
1日の食事の半分をウェットにするだけでも、
水分摂取量は大きく改善します。

体重測定は「最高のバロメーター」

腎臓病は、
静かに筋肉が落ちていく病気でもあります。

月に1回を目安に、体重を測りましょう。

「たった100gの減少」でも、
4kgの猫にとっては
人で言えば1.5〜2kg減ったのと同じインパクトです。

家でできるチェックリスト

  • 水の減り方(先週より増えていないか)
  • トイレの回数・尿の量
  • 体重(月1回)
  • 食欲・嘔吐・口臭・毛づや
  • 歯ぐきの乾き・皮膚の戻り(脱水の目安)

全部やらなくて大丈夫です。
気づいたものを1つ覚えておくだけで十分です。

最後に

腎臓病は、
「気づいたときにはもう遅い」病気ではありません。

気づけるチャンスが、毎日のお世話の中にあります。

今日から完璧にやる必要はありません。
まずは、


「最近、トイレどうだったかな?」

そう思い出すところからで大丈夫です。

あなたのその気づきが、
猫ちゃんのこれからを守ります。

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よくある質問

Q
何歳くらいから腎臓病を意識すればいいですか?

目安は7歳からです。
猫は7歳を過ぎると、見た目が元気でも腎臓病の「予備軍」と考えてよい年齢に入ります。
この時期からは、血液検査だけでなく、おしっこや水の変化を日常的に観察することがとても重要です。

Q
血液検査が正常なら、まだ大丈夫ですよね?

必ずしも安心とは言えません。
腎臓は非常に我慢強い臓器で、機能の約75%が失われてから血液検査に異常が出ることもあります。
そのため、血液検査が正常でも、尿比重や尿量の変化が先に現れるケースは少なくありません。

Q
水をよく飲むのは「良いこと」ではないのですか?

増え方によっては注意が必要です。
腎臓病では
「喉が渇くから飲む」のではなく、
「尿がたくさん出てしまうから、結果として飲んでいる」
という状態が起きます。
急に飲水量が増えた場合は、体を守るサインとして一度確認をおすすめします。

Q
家で尿量を正確に測れなくても意味はありますか?

正確でなくても“変化”を見ることに意味があります。
システムトイレのシートの重さ、砂の塊の大きさや回数など、
「先週と比べてどうか」を見るだけでも、早期発見につながります。

Q
トイレ以外でおしっこをするのは病気ですか?

行動の問題とは限りません。
尿量が増えすぎてトイレが間に合わない、
排尿時に違和感がある、
といった身体的理由で起こることもあります。
急な変化があれば、叱らずに体調面のチェックを優先してください。

Q
水をあまり飲まない子にはどうすればいいですか?

環境を工夫して「自然に飲める」状態を作ります。
水飲み場を複数設置する、器を変える、循環式給水器を使う、
また、ぬるま湯を好む子もいます
「冷たい水が正解」と決めつけず、その子の好みを探すことが大切です。

Q
ウェットフードは腎臓にいいですか?

水分補給の面では非常に有効です。
ウェットフードは水分を多く含むため、
飲水量が少ない猫では特にメリットがあります。
ただし、病状や他の持病によって適切な内容は異なるため、
切り替えは主治医と相談しながら行いましょう。

Q
体重が少し減っただけでも心配ですか?

猫では「少し」が重要なサインになります。
4kgの猫で100gの減少は、人でいう数kgの体重減少に相当します。
月1回の体重測定は、最も簡単で信頼できる健康チェックのひとつです。

Q
腎臓病は治りますか?

基本的には「進行を抑える病気」です。
腎臓病は元に戻す治療ではなく、
悪化を防ぎ、生活の質を保つ治療が中心になります。
だからこそ、早く気づくことが何より大切です。

Q
この記事を読んで、まず何をすればいいですか?

今日のトイレ掃除から意識を変えてみてください。
尿の量・色・回数、水の減り方。
この小さな気づきが、腎臓を守る一番の近道です。

今できる最高の選択を。

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獣医かえちゃん
獣医かえちゃん
小動物勤務医
都内で勤務している獣医師です。 約10年間、犬と猫の診療に携わってきました。 診察室では 「これって病気?」 「様子を見ていい?」 といった質問をよく受けます。 このブログは、そんな日常の小さな不安に分かりやすく答えるために始めました。 専門用語はできるだけ使わず、 「今なにが起きているのか」「何に気をつければいいのか」を、 獣医として・飼い主としての両方の視点で情報を発信しています。 匿名質問(マシュマロ)も受け付けていますので、お気軽にどうぞ。
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