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猫の尿蛋白:数値より大切な「意味」|腎臓からの静かなSOS

@vet-pet-care

尿蛋白が出ていると言われました。
尿蛋白って何だろう?

最近、尿検査で
「尿蛋白が出ていますね」
と言われて、不安になっていませんか?

血液検査はまだ大きな異常がないのに、
「もう腎臓が悪いんでしょうか?」
と心配される飼い主さんはとても多いです。

実は、尿蛋白は
腎臓病の“かなり早い段階”で現れるサインのひとつ。
今回は「尿蛋白とは何か」「なぜ重要なのか」を、
できるだけ分かりやすくお話しします。

Take Home Message
  • 尿蛋白は
    腎臓のフィルターの傷みを映すサイン
  • 血液検査が正常でも、
    尿蛋白が先に出ることがあります
  • 大切なのは「出ているかどうか」だけでなく
    「なぜ出ているか」
  • 早く気づけば、
    腎臓の寿命を延ばせる可能性があります

尿蛋白とは何?

尿蛋白とは、
本来なら体に必要で尿に出ないはずの タンパク質 が、
おしっこに漏れ出ている状態を指します。

健康な腎臓は、
「必要なものは体に戻し、いらないものだけ捨てる」
高性能なフィルターの役割をしています。

尿蛋白が出るということは、
この フィルターにすき間ができている 可能性がある、
ということです。

なぜ尿蛋白が問題なの?

尿蛋白は、
腎臓のダメージを“進めてしまう原因”にもなるからです。

タンパク質が漏れる
腎臓の中で炎症が起きやすくなる
フィルターの傷みが進む
さらに尿蛋白が増える

このような 悪循環 に入ってしまうことがあります。

つまり尿蛋白は、
「結果」でもあり「原因」にもなり得るサインです。

血液検査が正常でも安心できない理由

腎臓はとても我慢強い臓器です。
機能の多くが失われるまで、
血液検査に異常が出ないことも珍しくありません。

一方で尿検査は、
血液検査より早い段階で変化が現れることがあります。

  • クレアチニン:正常
  • SDMA:正常

でも尿蛋白は出ている

これは決して珍しいことではありません。

尿蛋白が出る原因は腎臓だけじゃない

尿蛋白=すぐ腎不全、ではありません。

考えられる原因には:

  • 腎臓病(慢性腎臓病)
  • 高血圧
  • 炎症や感染(膀胱炎など)
  • 発熱・ストレス
  • 一時的な体調変化

などがあります。

そのため、
「一度出た」だけで判断しないことがとても大切です。

尿蛋白はどうやって評価する?

病院では段階的に確認します。

尿試験紙でのチェック

尿沈渣で炎症や感染の有無を確認

尿蛋白/クレアチニン比(UPC)で定量評価

血圧測定(とても大切)

特に猫では
高血圧が尿蛋白の原因になっていることも考えられるので、血圧測定は欠かせません。

尿蛋白が出たら、すぐ治療?

必ずしも
「すぐに薬を始めると決まったもの」ではありません。

  • 一時的なものか?
  • 持続しているか?
  • 腎臓病や高血圧などが関係しているか?

これらを整理したうえで、
必要なら食事管理や血圧管理、薬を検討します。

大切なのは
「放置しないこと」と「慌てすぎないこと」
その両方です。

まったり猫

まとめ

  • 尿蛋白は腎臓からの静かなSOS
  • 血液検査より先に異常が出ることがある
  • 「出ている理由」を見極めることが最重要
  • 早く気づけば、守れる時間が増えます

よくある質問

Q
尿蛋白が出た=すぐに腎不全ですか?

いいえ、必ずしもそうではありません。
一時的なストレス、発熱、脱水などでも尿蛋白が出ることがあります。
大切なのは「1回の結果」ではなく、「継続して出ているか」です。

Q
元気で食欲もあるのに、尿蛋白が出ることはありますか?

あり得ます。
尿蛋白は症状が出る前から現れることが多く、
「元気だから大丈夫」とは限らないサインのひとつです。

Q
尿蛋白は自然に治ることもありますか?

原因によっては改善することもあります。
脱水や一過性の炎症が原因なら、再検査で陰性になることもあります。
そのため、すぐに決めつけず再検査が重要です。

Q
尿蛋白が出たら、すぐ治療が必要ですか?

すぐに薬が必要とは限りません。
数値の程度、持続性、他の検査結果を総合して判断します。

Q
尿蛋白は年齢のせいですか?

年齢だけで出るものではありません。
高齢になるとリスクは上がりますが、
「年だから仕方ない」で片づけてよいサインではありません。

Q
尿蛋白が出たらフードを変えた方がいいですか?

状態によって判断が変わります。
腎機能が保たれている段階では、
必ずしも腎臓療法食が必要とは限りません。
獣医師と相談しながら決めることが大切です。

Q
尿蛋白は糸球体の病気だけで起きるのですか?

いいえ、尿細管のトラブルでも起こります。
フィルターの問題だけでなく、
「回収係(尿細管)」がうまく働かない場合でも尿蛋白は出ます。

Q
尿蛋白があると寿命は短くなりますか?

放置するとリスクは上がりますが、早く気づけば対策できます。
尿蛋白は「将来の腎臓ダメージの予測因子」とされており、
早期対応がとても重要です。

Q
どのくらいの頻度で再検査すべきですか?

状態によりますが、2〜4週間後の再検査が一般的です。
その後は安定度を見ながら間隔を調整します。

Q
飼い主が家でできることはありますか?
  • 水分摂取量の確認
  • トイレの量・回数のチェック
  • 定期的な体重測定

これらは尿蛋白の悪化を早く察知する大切な情報になります。

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獣医かえちゃん
獣医かえちゃん
小動物勤務医
都内で勤務している獣医師です。 約10年間、犬と猫の診療に携わってきました。 診察室では 「これって病気?」 「様子を見ていい?」 といった質問をよく受けます。 このブログは、そんな日常の小さな不安に分かりやすく答えるために始めました。 専門用語はできるだけ使わず、 「今なにが起きているのか」「何に気をつければいいのか」を、 獣医として・飼い主としての両方の視点で情報を発信しています。 匿名質問(マシュマロ)も受け付けていますので、お気軽にどうぞ。
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