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猫の膵炎とは?気づきにくい初期症状と治療法をやさしく解説

@vet-pet-care

最近、食べているのに元気がない気がする、、、?

その違和感、実は大切なサインかもしれません。

猫の膵炎は、症状がわかりにくい病気です。
この記事では、たとえ話を使って
何が起きているのかをわかりやすく説明します。

猫の膵炎は、はっきりした症状が出ないことも多く、
様子がおかしいだけで進行していることもあります。

また今回の内容は理解を優先して作成しています。
もっと詳しく知りたい方は下の記事を読んでください。

もっと詳しく知る
【現役獣医が解説】猫の膵炎の症状、検査、治療について
【現役獣医が解説】猫の膵炎の症状、検査、治療について
Take Home Message
  • 猫の膵炎は症状が分かりにくく、見逃されやすい
  • 猫の膵炎はなんとなく元気がないがサイン
  • 早期発見にはいつもとの違いに気づくことが重要
  • 食べられないと危険。早めの対応が大切
  • 時には治すよりうまく付き合う

膵臓って、何しているの?

  1. 血糖値を調整する(インスリンを作る)
  2. 消化を助ける(食べ物を溶かす消化液を作る)

膵臓は花火を作る工場のようなもの。

花火は腸に届いてから打ち上がります。
工場の中では安全装置がついていて、
出荷前に爆発しないようになっています。

猫の膵炎って、どんな病気?

膵炎とは、膵臓が炎症を起こした状態です。

ほとんどの場合で原因ははっきりしていません。
決して飼い主さんのせいではありません。

大きく分けて2種類あります。

  • 急性膵炎
  • 慢性膵炎

犬の膵炎は激しい嘔吐や腹痛が出やすいのに対し、
猫はなんとなく元気がない程度のことも多く、
この違いが診断を難しくしています。

猫の急性膵炎=工場の中で花火が暴発

安全装置が壊れて、
工場(膵臓)の中で花火(消化液)のスイッチが入った状態です。

腸で打ち上がるはずの花火が、
工場の中で周りを焼いてしまいます。

その火が全身に広がることもあります。

  • 消化液が膵臓自体を溶かしてしまう
  • 炎症が周りに広がることがある
  • 猫は体の構造上、特に影響が出やすい

猫の慢性膵炎=線香花火がずっと燃え続ける状態

急性は「花火の暴発」ですが、慢性は違います。
大きな爆発ではなく、線香花火がじわじわ燃え続けているイメージ。

燃えかすが積み重なって、カチカチに硬くなっていきます(線維化)。
硬くなった組織は、残念ながら元に戻りません。

また、周りの臓器(腸・肝臓・胆のう)から
「もらい火」することも多いです。

なぜ気づきにくいの?

猫は痛みや不調を隠す名人です。

犬が「お腹が痛い!」と叫ぶとすれば、
猫はひっそりと部屋の隅で丸くなっています。

痛みを外に出さないのが、猫の矜持です。

病院で触ってお腹の痛みが確認できるのは、約10%だけという報告もあります。

代わりに出るサイン
  • なんとなく元気がない
  • 食欲が少し落ちた
  • じっとしている時間が増えた

お腹の不調も出ることがありますが、
症状だけで膵炎を疑うことはとても難しいです。

体重のわずかな変化が最初のサインになることもあります。
日頃から体重・活動量・トイレの変化を記録しておくことが大切です。

最近では、自動で体重や行動を記録してくれるツールもあります。
変化に早く気づく手助けになります。

  • トレッタ:体重・行動を自動で記録するスマートトイレ
  • Catlog:行動・トイレをまとめて管理

検査ですぐにわかるの?

膵炎の診断はパズルのようなものです。

1つのピースだけでは全体像が見えません。
複数のピースを合わせて、はじめてわかります。

使われる検査の種類

  • 一般血液検査(=他の病気を除外する)
  • fPLI(膵臓マーカー)(=膵臓に特化した数値)
  • エコー検査(=画像で膵臓の状態を確認する)

それぞれに得手不得手があります。
だから複数を組み合わせて判断します。

なりやすい猫はいるの?

猫の膵炎は、年齢・性別・猫種に関係なく起こります
肥満や食事が原因とも言い切れません。

ただし、他の病気と一緒に起きやすい特徴があります。

特に一緒に見られることが多いのは
  • 糖尿病
  • 慢性腸症(IBDなど)
  • 肝リピドーシス(脂肪肝)
  • 胆管炎
  • 腎臓の病気
  • 免疫の異常(IMHAなど)

膵炎は一匹狼ではなく仲間を連れてくる病気です。
他の病気もいっしょに確認することが大切です。

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猫の膵炎の治療

猫の膵炎には、根本的に治す特効薬はありません

治療のゴールは完治ではなく、
体を支えて回復を助けることです。

火事(炎症)を消しながら、
体が自分で立て直せるように手助けします。

急性膵炎の治療(4つの柱)

  • 点滴(=体の水分と循環を守る)
  • 早期給餌(=絶食はNG。早めに食べさせる)
  • 痛み止め(=猫は痛みを隠すので積極的に使う)
  • 吐き気止め(=食欲を守るために大切)
今は推奨されていない治療
  • 明らかな細菌感染がないときの抗生剤
  • ステロイド(併発疾患がなければ)
  • 外科手術

慢性膵炎の治療

慢性膵炎は「治す」のではなく、
「うまく付き合っていく」イメージです。

弱火を消しながら、できるだけ快適に過ごす。
それが目標です。

  • 他の病気の治療を最優先にする
  • 痛みと吐き気をコントロールする
  • 食欲増進剤を活用する
  • その子に合った食事を続ける
  • 無理に低脂肪食にこだわらない

慢性膵炎で一番大切なのは、
しっかり食べられる状態を維持することです。

まとめ

  • 膵臓は消化液と血糖値を管理する工場
  • 急性膵炎=工場の中で花火が暴発した状態
  • 慢性膵炎=線香花火がじわじわ燃え続ける状態
  • 猫は痛みを隠す名人。気づきにくい
  • 診断はパズル。複数の検査を組み合わせる
  • 治療は体を支えることが中心
  • なんとなくおかしいを大切に!

いつもと違うという飼い主さんの気づきが、
一番早いサインになることも多い病気です。

よくある質問

Q
猫の膵炎の症状は?

元気がない・食欲が落ちる・じっとしている、などわかりにくい変化が多いです。
激しい嘔吐や腹痛が出ることは少ないです。

Q
食べているのに元気がない。膵炎の可能性は?

あり得ます。
なんとなくおかしいという感覚を大切にしてください。
早めに動物病院に相談しましょう。

Q
検査ですぐわかる?

1つの検査だけでは判断できません。
複数を組み合わせて診断します。

Q
膵炎は治る?

急性は適切な治療で回復を目指します。
慢性は完治よりうまく付き合うが目標になります。

Q
食べないときはどうする?

食べない状態は危険です。
早めに受診してください。
今は絶食させるという考え方は推奨されていません。

Q
家でできることは?

日々の変化を記録しておくことが大切です。
小さな変化を早く気づくことにつながります。

Q
なりやすい猫の特徴は?

年齢、性別、猫種は関係なく起こります。
ただし糖尿病・腸の病気・脂肪肝など他の病気を持つ子に多く見られます。

本記事は、ACVIM(アメリカ獣医内科学会)のコンセンサスステートメントをもとに作成しています。
内容は一般的な指針であり、個々の状態や併発疾患によって適切な検査・治療は異なります。
https://www.acvim.org/

気になる症状がある場合は、かかりつけの動物病院でご相談ください。

飼い主様の意見をお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
よろしくお願いします。
ABOUT ME
獣医かえちゃん
獣医かえちゃん
小動物勤務医
都内で勤務している獣医師です。 約10年間、犬と猫の診療に携わってきました。 診察室では 「これって病気?」 「様子を見ていい?」 といった質問をよく受けます。 このブログは、そんな日常の小さな不安に分かりやすく答えるために始めました。 専門用語はできるだけ使わず、 「今なにが起きているのか」「何に気をつければいいのか」を、 獣医として・飼い主としての両方の視点で情報を発信しています。 匿名質問(マシュマロ)も受け付けていますので、お気軽にどうぞ。
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