【現役獣医が解説】猫の慢性腎不全(慢性腎臓病CKD)の出来る対策
腎不全の進行は止められません。
ですが、早めることも、遅らせることもできます。
腎不全といわれました。
何に気をつけたら良いんだろう?

悪化につながる要因を減らしましょう。

「腎不全ですね」と言われたとき。
多くの飼い主さんが思うのは、
- もう治らないの?
- どこまで進むの?
- 何ができるの?
慢性腎不全は元通りにはなりません。
しかし
進行を遅らせることはできます。
その鍵は
悪化因子を放置しないことです。
- リンを上げない
- 脱水させない
- 食べさせ続ける
- 定期検査を続ける
猫の慢性腎不全でまず家でできること
ここが一番大切です。

リンを増やさない(最重要)
腎臓が弱ると、体はリンをうまく排泄できなくなります。
リンが上がると
FGF-23というホルモンが増え、
それが腎臓にさらに負担をかけます。
リンの上昇は
静かに、確実に進行を早めます。
家で出来ること
- 腎臓療法食に切り替える
- おやつのリン量を意識する
- 自己判断で高タンパク食にしない

脱水を防ぐ
CKDの猫は尿が薄くなり
慢性的に軽い脱水状態になりやすい。
脱水は腎血流を下げ
悪化を加速させます。
家で出来ること
- ウェットフードを併用する
- 水飲み場を増やす
- ぬるま湯を用意する
- 必要なら皮下輸液を行う

筋肉を守る
体重だけでは不十分です。
筋肉量が落ちると
予後は悪くなります。
家で出来ること
- 食欲を落とさない工夫
- 食事回数を分ける
- 急なダイエットをしない
猫の慢性腎不全で
検査しないと分からない悪化因子
ここからは
見た目では分からない領域です。
蛋白尿
尿に蛋白が漏れている状態。
進行を早める因子です。
必要な検査
- 尿検査
- UPC測定

高血圧
CKDの猫は高血圧を併発しやすいです。
放置すると
腎臓、目、脳に影響します。
必要な検査
- 血圧測定

低カリウム血症
見た目では分かりにくいことが多いです。
ただし以下の症状で気づくこともあります。
- 元気がない
- 首が下がる
必要な検査
- 血液検査
貧血
腎臓は赤血球を作るホルモンを分泌します。
機能が落ちると
非再生性貧血になります。
必要な検査
- 血液検査(CBC)

代謝性アシドーシス
体が酸性に傾き
筋肉分解を促します。
必要な検査
- 血液ガス分析(血液検査)
慢性腎不全は管理で進行を遅らせられる
慢性腎不全は
「何もできない病気」ではありません。
家で整えられることがあり、
検査で初めて分かることがあります。
両方を組み合わせることで
進行スピードは変わります。
年齢のせいにせず、
今できることを一つずつ。
それが一番の対策です。
よくある質問
- 猫の慢性腎不全は治りますか?
-
治りません。
ですが、進行を遅らせることは可能です。
- まだ元気ですが、本当に治療は必要ですか?
-
必要です。
見た目が元気でも、腎臓の機能は静かに低下します。
- 療法食に変えないとだめですか?
-
基本的には推奨されます。
リン制限が進行抑制の中心だからです。
ただし基礎疾患がある場合や食べない場合は、
別の選択をすることもあります。
- 水をたくさん飲ませれば大丈夫ですか?
-
水分は大切ですが、それだけでは不十分です。
リン管理や血圧管理も必要です。
- どのくらいの頻度で検査が必要ですか?
-
ステージによりますが、
一般的には1〜3ヶ月ごとの定期検査が目安です。
- 皮下輸液は早く始めた方がいいですか?
-
脱水傾向がある場合は有効です。
開始時期は状態を見て判断します。
- 高齢だから仕方ないのでは?
-
年齢はリスク因子ですが、
管理で進行スピードは変わります。
今できる最高の選択を。
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※この記事が、飼い主さんと動物たちの
安心につながればうれしいです。
ただ、体調や治療の判断はその子ごとに違います。
実際の方針については、
必ず主治医の先生の意見を大切にしてくださいね。
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